「労働時間をもっと増やしたい人って、どれくらいいるの?」
そんな疑問に答えてくれる、リクルートワークス研究所の調査がとても興味深かったのでご紹介します。

「もっと働きたい」と思っても、自由に働けるとは限らない

「働き方のこれからに関する1万人調査」では、労働者に「自分の意思で労働時間を自由に増やせるか?」という質問をしています。

その結果、「あまり自由にできない(=やや当てはまらない or 当てはまらない)」と答えた正規雇用者は51.2%と半数を超えました。

法規制を遵守したり割増賃金の負担を避けたりするため、企業が労働時間の管理を強化している背景があるようです。

実際に「もっと働きたい」と思っている人は少数派

「全国就業実態パネル調査」では、正規雇用者に「仕事時間についての希望」を聞いています。

  • 今より減らしたい:34.5%
  • 今より増やしたい:6.3%

つまり、「今より働きたい」と考えている人は少数派です。

性別・年代で見ても、働きたい人が多めなのは20~30代男性(約8〜9%)に限られ、20~30代女性ではむしろ「今より減らしたい」が4割近くに上ります。

「もっと働きたい人」の共通点とは?

データによれば、労働時間を増やしたいと答えた人の特徴には以下の傾向がありました。

  • 男性
  • 若年層
  • 子どもがいる
  • 労働時間が短い
  • 賃金水準が低い

つまり、「もっと働いて収入を増やす必要がある人」が中心といえそうです。一方で収入がすでに高い人は、追加的な労働を望んでいない傾向がありました。

労働時間規制の緩和は本当に必要?

「ハイスキル人材などに限って、労働時間の上限規制を緩和(デロゲーション)するべきでは?」という議論もありますが、今回の分析を踏まえると、賃金水準が高い層で「もっと働きたい」と思っている人はごくわずかです。

つまり、そうした規制緩和が実際に望まれている場面は限定的で、制度変更による社会的な利益も大きくはならない可能性があります。

まとめ:「もっと働きたい」人は少数派かつ低所得層に集中

  • 労働者の多くは労働時間を「今より減らしたい」
  • 「もっと働きたい」人は少数派かつ低所得層に集中
  • デロゲーションのような制度緩和は、慎重な議論が必要

規制は時に働く自由を制限する側面もありますが、それ以上に「無理なく働ける環境づくり」に貢献しているのかもしれません。

参考文献

「労働時間を増やしたい人はどれだけいるのか ―労働時間規制の緩和は行うべきか―」
リクルートワークス研究所。
URL: https://www.works-i.com/research/project/work-style/ronten/detail009.html