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地球の歴史を歩こう:「ディープタイムウォーク」が教える私たちの在り方

しあわせコラム

足元から始まる46億年の旅。

散歩がとてつもない大冒険に変わる、不思議な体験。それがイギリスのシューマッハ・カレッジで生まれた「ディープタイムウォーク(Deep Time Walk)」です。

私たちが生きる地球の歴史は46億年。あまりに数字が大きすぎて、普段はどこか遠い国の物語のように感じてしまいます。でも、このワークショップはその膨大な時間を「4.6キロメートルの距離」に置き換えて、自分の足で歩いていくんです。1メートル歩くごとに、100万年。この一歩一歩が、地球が辿ってきた想像を絶する歳月を刻んでいきます。

科学者の情熱と、受け継がれた「物語」の力

この活動が始まったのは2007年のこと。シューマッハ・カレッジの生態学者であり、ホリスティック・サイエンスの修士課程を共同で立ち上げたステファン・ハーディング博士と、当時の教え子であった地質学者のセルジオ・マラシン氏が共同で考案したのが始まりです。

彼らが大切にしたのは、時間と空間を超えて「地球の物語」を語るという普遍的な理念でした。この考え方は、教育家のマリア・モンテッソーリ、環境活動家のジョアンナ・メイシー、そしてミリアム・テレーズ・マクギリスといった、地球と人間の繋がりを深く見つめてきた先駆者たちの思想から大きな影響を受けています。

博士たちは、科学的な事実を単なる知識としてではなく、身体を通して感じる「生きた物語」として伝えようとしました。その後、この体験をデジタル技術で世界中に届けるためにディープタイムウォークドットオルグのプロジェクトが組織され、今では世界中で愛されるプログラムへと進化しています。

実際に歩いて感じた、体温のある歴史

歩き始めてからしばらくは、驚くほど「生命」の気配はありません。1キロ、2キロと歩いても、地球の形成や地殻変動の物語です。参加した方々の感想でよく耳にする「生命が誕生し、複雑に進化していくまでがいかに長かったか、足の疲れで実感できる」という声もうなずけます。

実際、恐竜が登場するのはゴールまで残りわずか200メートルほどの地点。そして、私たちホモ・サピエンスが現れるのは、4.6キロの旅の本当に最後、わずか「30センチ」ほどの場所です。

最後の一歩を踏み出したとき、言葉にできない気持ちが込み上げてきます。ある参加者は「自分がこの壮大な物語の一部なんだと気づいて、足元の土の見え方が変わった」と話していましたが、まさにその通りです。私たちの文明がいかに一瞬の出来事であり、同時にどれほど多くの奇跡の上に立っているのかを、頭ではなく「体」で感じるプログラムです。

地球との繋がりを取り戻す時間

現代の私たちは、気候変動や生物多様性の危機といった大きな課題に直面しています。でも、ハーディング博士たちが提唱するように「深い時間(ディープタイム)」の視点に立ってみると、地球は絶えず変化し、命を繋いできたひとつの大きな生命体なのだと感じられます。

この歩みは、単なる歴史の学習ではありません。過去から未来への繋がりを肌で感じ、自分自身を見つめ直すためのツールであり、これまでの生き方を深くかえりみるきっかけを与えてくれます。そして何より、これからの未来へのあり方を静かに考える時間を持たせてくれるのです。

実際に体験してみると、温かい安心感のようなものに包まれます。私たちは独りではない、この長い歴史の織りなす布の一部なんだという感覚です。

あなたも「4.6キロの冒険」へ

もし、日々の忙しさに追われて自分を見失いそうになったら、ぜひ一度この4.6キロを歩いてみてください。必要なのは、動きやすい靴と、少しの好奇心だけです。

英語ですが、deeptimewalk.orgでは、ディープタイムウォークを楽しむ無料アプリをダウンロードできます。また、武蔵野大学ウェルビーイング学部学部長の前野隆司教授は、前野先生ならではの視点で「ディープタイムウォーク Voicy版」を日本語で公開しています。どちらもそれぞれに特徴があり、ひとりでディープタイムウォークの世界に没入して楽しむのにおススメです。

近くの公園や海岸沿い、あるいは毎日の通勤・通学路だって構いません。あなたの次の一歩が、100万年の時を超えて、新しい景色を見せてくれるはずです。

また、ディープタイムウォークで、検索すると、ディープタイムウォークを日本国内のイベントとして実施されている方や団体を見つけることができます。全国各地のそれぞれのルートで、それぞれの案内人の方々によるディープタイムウォークに参加することも新たな発見に繋がりそうです。


参考文献

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父/夫/Webプロデューサー

自宅庭にあるレモングラスのハーブティーとエナジードリンクとプロギング好きの当サイトWebプロデューサーです。幸福学の第一人者、前野隆司教授のVoicyにある「ディープタイムウォークVoicy版」を聞きながら森の中を歩くことにかなり心地良さを感じてます。三島ウェルビーイング協議会/ウェルビーイングプロギング代表。プロギングジャパン認定プロギングリーダー、GLOBIS公認学び放題アンバサダー、デジタル庁 地域幸福度(Well-being)指標活用ファシリテーター、ウェルビーイング ダイアログカード認定ファシリテーター、静岡県三島市在住です。SNS繋がり大歓迎です!

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