こんにちは。漢方カウンセラーの青木優加です。
立春から始まったこのコラム。いつも読んでくださりありがとうございます。
今回の「立秋」で一年の半分がめぐりました。
少しは季節のうつろいとからだの変化を感じていたらけるヒントになっていたら幸いです。
今回もこの2週間をウェルビーイングに過ごすヒントをお届けしていきますね。

立秋(りっしゅう)とは?
令和8年は8月7日に迎えます。立秋(りっしゅう)は暦の上では秋の始まりとされる時期です。けれども実際には、まだまだ暑さの厳しい日が続きますね。それでもふと見上げた空の高さや、夕方に聞こえる虫の声、朝晩の空気の変化に少しずつ秋の気配が混じりはじめるころでもあります。
夏の土用で季節を渡る準備を終えて秋を迎える。ゆっくりとまた次の巡りへ向かっていきます。
立秋からのウェルビーイングヒント
1. 夏の疲れを残さないために、お腹をいたわる
冷たいものや脂っこいものを飲んだり食べたりしたくなる季節です。「夏バテを防ごう」「スタミナをつけなければ」と、お肉や濃い味付けのものばかり食べていませんか?
夏の間は自分が思っている以上に体は疲れています。それなのに、こってりと脂の乗った食欲をそそるような食べ物が、夏バテ予防とセットのように紹介されることがあります。いわゆるスタミナ料理と紹介されるもの。これらは、体調がととのっている時に食べて、その体を維持していく意味で取り入れると良いものが多いようじ感じています。
お腹の調子がすぐれない方や、特にこの時期になると下痢をしやすい方に必要なのは、消化の良いもの。味や脂の濃いものはさらに胃腸に負担をかけ、夏バテにもつながってしまいます。
まずは体とお腹の調子をととのえる、回復することを大事にしてくださいね。
そのためには、いつも以上によく噛むことも大切です。例えば「最初の一口を30回」または「いつもよりプラス1回多く噛む」ことを意識してみることから。また、食べ過ぎた翌日は少し控える、日中冷たいものを飲み過ぎたら、夜は温かいものをとる。少しずつの意識からでも、お腹をいたわってあげてくださいね。
2. 梨で残暑をやさしく乗り切る
梨が出回る季節になります。梨は身体、特に肺を潤し、熱を下げるのを助けてくれる食材と言われています。
喉の違和感や熱感、乾燥が気になるときにもおすすめです。
この時期ですと、脱水症状が気になるときにも心強い味方にもなってくれますよ。
ただし、梨は熱を下げるのを助ける=体を冷やしやすい食材でもあります。冷気による身体の冷え、冷たい食べ物飲み物続きでお腹の冷えが気になる方は、食べる量やタイミングには注意して。
これからの時期、梨をはじめ、スイカやきゅうり、トマトといった身体を冷やす食材は日中に食べるのがおすすめです。
日が暮れるのも気づけば少しづつ早くなってきました。
日暮れ後、エアコンの効いた部屋で冷蔵庫でキンキンに冷えた梨を食べるのは、そろそろ少し控えめに。
それぞれの食材のよいところをうまく利用しながら、残暑の時期も健やかに過ごしていきましょう。
3. 深呼吸で、身体の調子を取り戻す
朝起きてすぐに、せわしなく活動に入っていませんか?
起きたら深呼吸。朝の活動へに切り替える時の習慣にしてみてください。
この時期は、暑さと疲れからか日中もイライラする方が多かったり、なんとなく道ゆく車の運転がいつもより荒ぶっていたり、ちょっとしたことで衝突しやすい時期であるようにも感じます。
夏の間はよく眠ったつもりでいても、眠りが浅くなっている方も多くこれらの原因に睡眠不足なども原因の一つとして考えられます。
睡眠が浅いと自律神経も乱れがち。この自律神経の乱れについては割愛しますが、この乱れをととのえることを助けてくれることの一つが深呼吸です。
ポイントは2つ
- 息を吐くことからスタート
- 息を吐ききったら、鼻から吸うこと
「呼吸」は、“呼”=吐くことが先です。まずは、ふぅーーっと、できるだけ吐いてみてくださいね。
そして、吸うときは鼻から。鼻から吸い込むと、空気が肺の奥まで届きやすくなります。吸った後と吐く前には少し「間」が生まれ、寄せては返す波のように、ゆったりとした呼吸へつながっていきます。さらに鼻には、外気を適温に調節するすばらしい機能があります。朝はもちろん、日中の暑さやイライラで脳や体がオーバーヒートしないように深呼吸するのもおすすめです。
生きている間、無意識で繰り返している呼吸。その中で10回だけでも気を向けることで少し身体への意識も変わってきます。気分を切り替える。頭を切り替える。自分のスイッチを切り替える時にぜひ、取り入れてみてくださいね。

まとめ
立秋。今日から取り入れやすいことをまとめると、次のようになります。
- 食べ過ぎた翌日は、消化のよいものにする
- 目標30回噛むことを意識して、胃腸に負担をかけすぎない
- 梨は日中に食べ、冷えが気になる方は夜に食べすぎない
- 朝起きたら、深呼吸をする
どれも特別なことではありません。けれども、日々の小さな意識が季節の変わり目の体を支えてくれます。食べるもの、飲むもの、呼吸の仕方を少しだけ意識しながら、秋へ向かう体をやさしく整えていきましょう。今のうちから少しずつ養生しておくことが、秋を健やかに過ごし、寒い冬を迎えるための準備になります。
どうぞ無理をせず、今のご自身の暮らしにできることから取り入れてみてくださいね。
参考文献
神宮館 令和八年神宮館家庭暦
日本中医食養学会(2019) 薬膳食典 食物性味表 / 日本中医食養学会
田文龍 劉延洪 編文(1995) まんが 黄帝内経ー中国古代の養生奇書 / 医道の日本社
貝原益軒 著 貝原守一 校註(2018) 養生訓 / 土曜社
白井明大 (2020) 日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー 増補新装版 / 角川書店
薬日本堂 監修(2010) 毎日役立つ からだにやさしい 薬膳・漢方の食材帳 / 実業之日本社
宮崎総一郎・北浜邦夫 編著 睡眠学Ⅰ「眠り」の科学入門 / 北大路書房
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