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「日本人は不幸」は本当なのか。幸福度ランキングのニュースに一喜一憂する前に知っておきたいこと

日々是幸日

毎年春になると、「世界幸福度ランキング」が発表され、「日本は何位だった」「また順位が下がった」というニュースがテレビやSNSを駆け巡ります。そのたびに、「日本人はそんなに不幸なのだろうか」と少し落ち込んだような、あるいはモヤモヤした気持ちになる方も多いのではないでしょうか。ただ私は、この数字をそのまま受け取ることに対して、ずっと違和感を抱いてきました。

京都大学人と社会の未来研究院の内田由紀子教授が解説されている内容を読むと、この違和感の正体がはっきりと見えてきます。教授は、国際的な幸福度比較には「決定的な問題」が潜んでいると指摘されています。

その核心にあるのは、実は「測定方法(測り方)」です。国連などが発表する世界幸福度ランキングでよく使われるのは、「キャントリル・ラダー」と呼ばれる手法です。これは、人生の最良の状態を10点、最悪の状態を0点として、「今のあなたの生活は何点ですか?」と回答してもらう、一見シンプルで公平なアンケートです。しかし、ここには大きな「文化的なバイアス(偏り)」が入り込んでいると言われています。

欧米、とりわけ北米の文化圏では、自分の状態を高めに、ポジティブに評価する傾向があると言われています。一方で、日本をはじめとする東アジアの文化圏では、自分を少し客観的に、あるいは謙虚に評価する傾向が根強くあります。つまり、仮に同じだけの生活水準や満足度を持っていたとしても、「何点ですか?」と聞かれたときに、欧米の人は「8点」と答え、日本の人は「謙虚に6点くらいかな」と答えてしまう。数字の背後にある「点数のつけ方の文化」が全く異なるわけです。

さらに、「幸せとは何か」というイメージ自体も、国によって大きく異なります。欧米では「個人の自律や自己実現」が幸福の重要な要素とされる傾向がありますが、日本では「周りの人との調和」や「穏やかな日常」といった、他者との関係性の中に幸せを見出すことが多いと感じます。「幸せすぎると逆にちょっと怖い」とすら感じるような、私たちの独特のバランス感覚を、世界共通の10点満点の物差しで測りきるのは、少し無理があるのかもしれません。

また、内田教授は「経済の安定は不幸を減らす」という表現が正確であり、経済が豊かになれば際限なく幸福になれるという単純な図式は成り立たないことも指摘されています。

実は今年、こうした「測り方」や「日本のウェルビーイングの現在地」をより深く、そしてわかりやすく知るための新しい取り組みがスタートしました。ウェルビーイング学会が、国連の「国際幸福デー」である3月20日にあわせて公開した「日本版ワールドハピネスレポート2026」です。

このレポートは、国際的な指標を参考にしつつ、日本のウェルビーイングの状況やその背景にある要因を改めて整理したものです。私が特に魅力的だと感じたのは、そのコンセプトとデザインです。「ウェルビーイングを、もっとあなたのそばに」という思いから、堅苦しい論文形式を避け、図やグラフを中心としたカラフルな誌面になっています。子どもから高齢者まで誰もが眺めて楽しめるような工夫がされており、専門家だけでなく、私たち一人ひとりが日常の中でウェルビーイングについて語り合うきっかけを作ってくれています。

ランキングが低いからといって、「日本人は不幸だ」という結論を鵜呑みにする必要はないと私は思っています。誰かが決めた物差しで自分たちの幸せを測るのではなく、今年発表されたような新しいレポートも参考にしながら、「私たちにとっての心地よい状態とは何だろう?」と、自分たちの足元を見つめ直す。数字の裏側にある背景を知ることが、私たち一人ひとりの、そして地域のウェルビーイングを育む本当の出発点になるのではないでしょうか。(PRESIDENT Onlineの記事を読むには無料登録が必要です。)

出典・参考文献・参考サイト

「日本人は不幸」は本当なのか…京都大学教授が解説する「幸福度の国際比較」が抱える決定的な問題(PRESIDENT Online)
https://president.jp/articles/-/107581?page=1

日本版ワールドハピネスレポート2026(ウェルビーイング学会)
https://society-of-wellbeing.jp/wp/wp-content/uploads/2026/03/WHR2026JapanEdition.pdf

プレスリリース全文(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000171738.html

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父/夫/Webプロデューサー

自宅庭にあるレモングラスのハーブティーとエナジードリンクとプロギング好きの当サイトWebプロデューサーです。幸福学の第一人者、前野隆司教授のVoicyにある「ディープタイムウォークVoicy版」を聞きながら森の中を歩くことにかなり心地良さを感じてます。三島ウェルビーイング協議会/ウェルビーイングプロギング代表。プロギングジャパン認定プロギングリーダー、GLOBIS公認学び放題アンバサダー、デジタル庁 地域幸福度(Well-being)指標活用ファシリテーター、ウェルビーイング ダイアログカード認定ファシリテーター、静岡県三島市在住です。SNS繋がり大歓迎です!

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