こんにちは。漢方カウンセラーの青木優加です。
暑い日が続きますが、みなさまお元気でお過ごしでしょうか?
私の住む福井県敦賀市では海水浴場も海開きとなり、本格的な夏の始まりを感じております。
今回もこの2週間をウェルビーイングに過ごすヒントをお届けしていきますね。
大暑(たいしょ)とは?
令和8年は7月23日に迎えます。
大暑は、一年の中でもっとも暑さが厳しくなる頃とされています。
暦の上では、夏の暑さがいよいよ本番を迎える時期。
強い日差し、湿気を含んだ空気、夜になっても残る熱気に、身体も心も少しずつ疲れを感じやすくなります。
名前の通り今年も本当に暑い日が続きますね。
近年、特に夏は毎年のように「前年の今頃」を更新するような気候になっていて、養生の仕方も基礎は大切にしながら毎年アップデートしていかなくてはいけないなと感じています。
世の中の流れも同じように、少し前まで常識だったことや当たり前だったことが、すぐに新しい情報に上書きされていく。そのスピード感もますます加速しているように感じます。とはいえ人間の身体は、そんなに早く気候や流れに馴染むことは難しいもの。お伝えしている漢方養生のお話も、古くからの知恵で、決して目新しいものではありません。実践したからといって、明日から劇的に変身できるものでもありません。
それでも。身体の基本となるものを、コツコツととのえ続けていく。
健やかにウェルビーイングに過ごすためには、やはり身体の声を聞いて今できることを少しずつ続けていくしかないのだと、厳しい冬を越え、暑い夏を迎えるたびに実感しています。
7月20日からは、夏の土用にも入りました。身体がなかなか気候に追いつけず、すでにぐったりしている方もいらっしゃるかもしれませんが。
こんな季節だからこそ、日々少しずつでも身体の声を聞いて少しでも心地よく過ごせる時間を持っていただけたらと願います。
大暑からのウェルビーイングヒント
猛暑が続くこの時期に大切にしたいウェルビーイングヒントをまとめました。一つでも、できることから取り入れて、今年の厳しい夏を健やかに乗り切っていきましょう。
1. 水分補給は「量」だけでなく「飲み方」を大切に
暑さで大汗をかくこの季節は、こまめな水分補給が必要です。
「1日○リットル」といった具体的な目安を聞くこともありますが、大切にしていただきたいのは、飲む量だけではなく飲み方 です。喉が渇いてしまうと喉ごしを求めて、ついゴクゴクと一気に流し込んでしまいます。
飲んでいる時は爽快ですが、そのあと胃がチャポチャポすることはありませんか?
おすすめは、一口ずつ、ちびちびと、こまめに飲むこと。
そのためには喉が渇く前に、前もって、少しずつ水分を補給することを意識してみてください。もちろん喉が渇いて我慢できない場合は、この限りはありません。まずは涼しい屋内で快適に過ごせる時から少し気をつけてみてください。
実は冷たすぎる飲み物ばかりでお腹を満たしていると胃腸に疲れが出て、夏バテにつながることもあります。胃の負担を少しでも軽くすることも、夏を健やかに乗り切るために大切なポイント。急な負荷がかかりすぎないようにお腹をいたわりながらの水分補給を心がけてくださいね。
2. トマトとスイカで、身体の内側からクールダウン
暑い時期は水分補給と聞くと、つい飲み物をたくさん飲むことだけを考えがちです。けれど、飲み物でお腹がいっぱいになって、せっかくの食事が入らないというお声もよく聞きます。
食べ物で乾きをいやし、身体全体の冷却システムを助けておくこともぜひ意識してみてください。
この時期の救世主の代表格が、トマトとスイカ です。
トマトは、身体のほてりを冷まし、喉の渇きを潤し、体の内側からも潤いを生み出してくれる夏の強い味方。
スイカは、身体の熱や喉の渇きをとり、からだを急速に冷やしてくれます。暑いところから帰った時や、発熱後の水分補給にもぴったりです。
どちらもおすすめは日中にいただくこと。
冷蔵庫で冷え冷えのものを、夜に食べるとお腹を急に冷やしてしまうことになるので、お腹の疲れが気になる方は食べる時間にもご注意ください。
3. 胃腸を助けるために「今より1回多く噛む」
ご飯を食べる時、一口をどのくらい噛んで食べていますか?
夏場は麺類など、ツルツルっと食べてしまい噛むことが少なくなることが多く、噛む回数はさらに少なくなりがちです。噛む回数が少ないということは、胃腸に負荷がかかりやすくなるということ。
「よく噛むこと」が大事なのは、みなさんご存知のはず。でも、自分が何回くらい噛んでいるのか意識したことはあるでしょうか。まずは今日のお食事の時に一口目を何回噛んでから飲み込んでいるか、数えてみてくださいね。
目標は1口30回。それでもまずは 「今よりも1回増やして噛む」 ところから始めてみましょう。
そうめんなどの麺類も喉越しを楽しんで、少しお腹が落ち着いたら
次は一口ひとくちを味わいながら、いつもより1回、できたら2回と味わってみる、でも良いかもしれません。
できるだけいつもより一口でも多く噛んで食べてみてくださいね。
麺類はもちろん、お米や野菜も、甘味や旨味をより感じることができますよ。
4. 短い昼寝で、頭と身体を小休止する
みなさんは、お昼寝をしていますか?
休憩中もスマホを見たり、テレビを見たりして、身体を休める時間がむしろ集中して目を使う時間になっていないでしょうか。
この時期は、猛烈な暑さに身体がさらされることもあり、心身ともに疲労がどうしても溜まりやすくなります。だからこそ、短時間の昼寝で疲れた目や身体を回復することは、とてもおすすめなのです。15〜30分ほどの短時間の昼寝は、業務効率を高める効果があるとして積極的に取り入れている企業もあるほどです。
ただし、30分以上寝入ってしまうと深い眠りに入り、起きにくくなったり、夜眠れなくなったりすることもあります。また、食事の後にすぐ横になると、これまた胃腸の負担になります。
なので、椅子に座ったまま横にならずに目を閉じる、短い時間(15分ほど)のお昼寝をおすすめします。
その際気をつけると良いのは
- 壁際まで椅子を引いて、肩を壁に預ける
- 腕を組んで体幹を安定させる
- 足を肩幅より少し広めに開いて、姿勢を安定させる
最近は、座って机にうつ伏せで眠るための枕もあります。大暑の文字通り、まだまだ猛烈な暑さが続く時期。短めのお昼寝を積極的に取り入れて、身体を小休止させてあげてくださいね。
5. 「自分は大丈夫」と過信しすぎない
「鬼の霍乱(おにのかくらん)」という言葉を聞いたことはありますか?
普段とても元気な人が、珍しく体調をこわしたり、病気になったりすることを表す言葉です。ちょうど夏の時期に起こりやすいとも言われています。特に、吐き気や下痢などの症状を指すこともあるそうです。
「自分は元気だから大丈夫」
そう思っている方でも、この時期は慎重に身体を大事にしていただきたいところです。自分を過信しすぎないことも、大切な養生のひとつ。
いつも元気なお子さまも、急に発熱したりと、夏は症状が激しく急に現れることがあります。
暑さ対策は、身体の外側から気をつけるだけではなく、取り入れる食事や、取り方、そして衛生面にも十分気をつけてお過ごしください。
特にこの時期は、自分が思っている以上に体力が下がっていて、少し古くなってしまった食べ物にもあたってしまう、お腹を壊してしまうというお声をよく聞きます。食事の保管場所にも十分お気をつけてお過ごしくださいね。
まとめ

大暑は、一年の中でもっとも暑さが厳しくなる頃。
気候の変化が大きく、身体が追いつかないと感じる時期です。だからこそ、特別なことを一気に頑張るよりも、身体の声を聞きながら、できることを少しずつ続けていくことが大切です。
- 水分は一気に飲むより、こまめに少しずつ。
- トマトやスイカなど、潤いを補う食べ物も味方につける。
- 胃腸をたすけるために、今より1回多く噛んでみる。
- 短い昼寝で、頭と身体を休ませる。
- 「自分は大丈夫」と過信せず、早め早めに手入れをする。
夏バテせず、また次の季節を楽しく迎えられますように。
参考文献
神宮館 令和八年神宮館家庭暦
日本中医食養学会(2019) 薬膳食典 食物性味表 / 日本中医食養学会
田文龍 劉延洪 編文(1995) まんが 黄帝内経ー中国古代の養生奇書 / 医道の日本社
貝原益軒 著 貝原守一 校註(2018) 養生訓 / 土曜社
白井明大 (2020) 日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー 増補新装版 / 角川書店
薬日本堂 監修(2010) 毎日役立つ からだにやさしい 薬膳・漢方の食材帳 / 実業之日本社
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