最近、ウェルビーイングハンドブックを読んでまして、その中から今日は、幸福学における2つのアプローチ、「ボトムアップアプローチ」と「トップダウンアプローチ」についてシェアしたいと思います。
幸福の研究には、大きく2つの考え方があります
1つ目の「ボトムアップアプローチ」は客観的な環境が幸福を決めると考えるもので、例えば「美味しいものを食べた」「給料が上がった」「天気が良い」といった日々の小さな喜びや、「結婚した」「良い仕事に就いた」といった客観的な状況が合わさって、最終的な幸福感が決まると考えます。
もう1つの「トップダウンアプローチ」は、起きた出来事そのものではなく、それをどう捉えるかに注目するアプローチで、例えば「離婚」という出来事があったとき、ボトムアップ型は「住む場所が変わった」などの事実に注目しますが、トップダウン型は「不健康な関係からの自由」と捉えるか、「生涯のパートナーの喪失」と捉えるか、といった個人の解釈を重視します。
研究によれば、ボトムアップ的な要因が幸福感に与える影響は全体の10〜15%程度。一方でトップダウン的な影響は、なんと最大63%を占めるとも言われています。
では、どうすればいいのか?
私たちの感情は、出来事に直接反応しているわけじゃありません。「注意」と「解釈」というフィルターを通した結果として、感情が引き起こされると言われています。これは「感情のモーダルモデル」と言って、4つのステップで説明されます。
- 状況 客観的な出来事が起きます。誰が見ても同じ「事実」の段階。
- 注意 その状況の中で、自分がどこに目を向けるかが決まります。人間はすべての情報を同時に処理できないので、自然と一部を選んで見ています。何に気づくかは、その人の性格やそのときの気分にもよります。
- 解釈・評価 注意を向けた情報を、自分なりにどう意味づけするかのステップ。同じ出来事でも受け取り方が人によって全然違うのは、ここに理由があります。
- 感情反応 その解釈をもとに、喜びや悲しみ、怒りといった感情が生まれます。そしてその感情が、次の行動やこれからのウェルビーイングにも影響していきます。
「何が起きたか」より「どう捉えたか」のほうが、自分の心の状態をずっと大きく決めている。
そう思うと、日常の見え方が少し変わるような気がします。実際に「どう捉えるとウェルビーイングにつながるか」は、また次回書きます。
参考文献
Diener, E., Oishi, S., & Tay, L. (Eds.). (2018). Handbook of well-being. DEF Publishers (Noba Scholar). https://static1.squarespace.com/static/65f0a38858b34640d8d1d19a/t/663ba4b32297654ef513dcc0/1715184831926/Handbook-of-Well-Being.pdf
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