パンダで有名だったアドベンチャーワールドが、ウェルビーイングをテーマにした地域イベントの舞台になる、と聞いたとき、「それは面白い組み合わせ」と感じました。テーマパークと幸せの研究が交差する場所として、和歌山が2月を「Well-being Month」と位置づけて動き始めたのです。
この取り組みは、和歌山県とアドベンチャーワールドが共創する形で進められています。2月という、年明けの高揚感も薄れ、寒さと忙しさの中でなんとなく気持ちが下がりがちな時期を、意図的に「ウェルビーイングがアガる月」として設計しているのが、ユニークな点だと思います。単に「幸せについて考えよう」というセミナーを開催するのではなく、動物との触れ合いや自然の中での体験を通じて、幸せを「頭で理解する」のではなく「体で感じる」ことを目指しているのも実に、ステキですし、全国各地で展開可能なポテンシャルが秘められていると思いました。
ウェルビーイングとは、一時的な「楽しい」という気分だけでなく、心身ともに健康で、生きがいを感じながら暮らせている状態のことを指しますが、著書から多くを学ばせていただいている前野隆司教授をはじめ、多くの研究者が指摘するのは、「つながり」や「自然との接触」が幸せの感覚を高める要素になりうるということです。動物園という場所は、その両方を同時に体験できる、実は非常にウェルビーイング的な空間であることをこのイベントを通じて、試してみようということなのでしょう。
私は小さい頃、母に連れられて近所の牛舎へ遊びに行くのが好きでしたし、小学校に上がってからは、毎日茶色の美味しい卵を産んでくれるコーチンと言う鶏を小さな自宅の庭で飼って育てていましたし、大学卒業後は、北海道のサラブレッド生産育成牧場へ就職し、競走馬の生産や育成に携わる生活をさせていただいていました(面接は船橋競馬場でした笑)。今も週末は家族で地域の牧場へ遊びに行くことが大好きです。今回のイベントでは、ホースコーチングプログラムの体験版もあるとのことで、個人的にも興味があります。)
そして、何よりこの取り組みが他の類似イベントと一線を画すのは、行政・企業・観光地が一体となって「地域全体をウェルビーイングの実践の場にしようとしている」点だと感じています。ウェルビーイングを観念的なものとして語るのではなく、実際に和歌山という土地を訪れ、体を動かし、動物や人と交わることで、日常の外に出て自分の状態をリセットする機会を提供しているのです。「場所に行って、体で感じる」ことの持つ力は、デジタルの便利さが増す時代であっても、オンラインでは代替できないものです。
幸せを「特別な出来事」としてではなく、日常の延長線上にある体験として設計していく。そのヒントは、動物園の中にもあるように思います。
出典・参考文献・参考サイト
「ウェルビーイング」がアガる2月を、しあわせあふれる和歌山で― 和歌山Well-being Month×アドベンチャーワールド 共創イベントがスタートします!|トピックス – アドベンチャーワールド
https://www.aws-s.com/topics/detail?id=top4517
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